リフォーム

Villa SSK Reform/廣部剛司建築研究所

地域
南房総市
特徴
週末住宅(別荘)

概要

この別荘が竣工してから5年余りが経過したところで、クライアントからリフォームの相談があった。当初は海側に水盤を設けて、その水面と実際の海が繋がってみえることを目的に、腰壁を設けて、景観を眺めるよう設計されていた。それは比較的静かな空気感をこの空間にもたらしていた。

今回のリフォームの動機は、ご家族の構成が変化して行くうちに、より積極的に外で過ごし、子供達が遊びやすいようにしたいという気持ちがふくらんでこられたということだった。

この建築は、海と対峙する山の間に建っている。その両方の景観を味わうことを目指して特殊な工法を考え、海と山(南北方向)には構造壁がほとんど無く、アーチ構造で8mのスパンを飛ばしている。そのため、腰壁と水盤は本体の構造から切り離されていたことから、本体構造に影響を与えることなく掃き出し窓に改修する道筋が開かれた。

腰壁部分を慎重に解体、3枚引きの引き込みサッシュを新たに製作した。欄間を設ける事で製作範囲内におさめることでプリーツ網戸も仕込まれている。

この部分にあった床置エアコンがなくなるため、2階の腰壁にエアコンを新設。既存家具と違和感なく繋がるように納めている。

デッキは建築自体のフォルムからインスパイアされ、多角形で構成している。
側面を傾斜させながら立ち上げることで、デッキはベンチとなり、背もたれとなる。
平面的な多角形と、立ち上がりの斜線が交差するため、設計も施工もかなり難易度が上がったが、もともとの建築と今回追加した部分の親和性は格段に上がった。
目指していたのは「最初からそうであった」かのようにみえるリフォームだった。

(廣部剛司)

名称 Villa SSK
所在地 千葉県南房総市
 主要用途 週末住宅(別荘)
 主体構造 木造(WTP + 木造立体トラスアーチ構造)
 規模 地上2階
敷地面積 854.28㎡(258.87坪)
建築面積 79.40㎡(23.97坪)
延床面積 105.05㎡(31.71坪)
竣工 2012年5月
改修 2019年5月
構造設計 エスフォルム/大内彰
施工 片岡健工務店
Photo @Takeshi Hirobe
転載元のURL http://hirobe.moon.bindcloud.jp/Works/corner387812/V-r.html

(著作権者の許諾を得て転載)

   
廣部剛司建築研究所

建築は建つ場所(地球)にしっかりと腰を据えていますが、地球そのものが動いてくれることで、1日の中でも様々な光が刻々と差し込み、季節によってもそれは変化していきます。建築の中に佇み、地球の動きを感じていられるということは、そこで過ごす人に「自分自身は地球の一部なのだ」と語りかけてくれます。尊厳を持って人がその空間に身を置くために、そういった感覚が持てるということが、とても大切なことなのではないかと感じています。